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リマニュファクチャリング(リマニ)

リマニュファクチャリング(リマニ)

【リマニュファクチャリング(リマニ)の世界的潮流と私たちの生活への影響】

聞き慣れない言葉かもしれませんが、「リマニュファクチャリング」、略して「リマニ」の流れは世界的に加速しています。この概念は、私たちの生活、特に環境への影響や負荷を考慮する上で非常に重要であり、日本においてもその発展が強く望まれます。

近年、様々な製品の素材を巡っては、その資源の採掘地や方法が問題視され、「紛争鉱物」(人権侵害を引き起こす内戦や紛争、戦争の資金源となる天然鉱物)と称されるようになりました。現在、これを利用する上場企業には、その使用状況の開示が義務付けられています。
紛争鉱物として特定される4種の金属だけでなく、多様な素材が原料として製造に利用される現代社会の仕組みにおいて、商品の「ゆりかごから墓場まで」の追跡はますます不可欠です。このような背景から、製品を中古として価値を下げずに新品同様の品質に修復し、再び市場に流通させる「リマニュファクチャリング」の考え方が注目されています。

リマニュファクチャリングとは、使用済みの製品や部品を回収し、分解して再利用するプロセスを経て、新品と同等の品質に修復することです。この手法は、元々重機や建設機械の分野で導入されていましたが、現在では電子機器、自動車、家電など、その適用範囲は広範囲にわたっています。

最近の動向として、アップルがiPhoneの設計を「使い捨て」から「修理可能」へと転換したことが挙げられます。この変化は、消費者の「修理する権利」運動や環境問題への関心が高まった結果であり、リマニの流れは今後も継続すると考えられています。また、スウェーデンの商用車メーカーであるスカニアは、再生部品を新車のトラックに搭載するという業界初の試みを行い、コスト削減と環境負荷低減を両立させています。このような動きは、日本の部品需要にも影響を及ぼす可能性があり、企業はリマニを意識した製品設計や事業戦略の採用が求められています。

例えば、パナソニックの家電製品に見られるような、当初から修理しやすいように商品を設計する工夫は、私たちが気づかないうちにリマニの恩恵を受けている一例かもしれません。特にスマートフォンについては、希少金属が使用されているにもかかわらず回収率は上がらず、新しい製品を購入してもそれまで使っていたスマホを返品する人は多くないのが現状です。
新品志向の強い日本ではまだあまり進んでいませんが、海外では中古スマホの市場が拡大しており、日本でも新製品の高額化に伴い、機能に大きな差のない中古品の市場が、その手頃な価格も相まって人気を集めています。

このような背景を知ることで、私たちの消費行動が環境への具体的なアクションにつながることに気づき、日々の行動にも何らかのヒントが得られるのではないでしょうか。

添付に「個人でできるリマニガイド」がありますので、ご覧いただければ幸いです。
また「修理する権利」を「私たちの生を取り戻すための抵抗運動」ととらえた著作を参考に添付します。